NECと東軟集団が中国のクラウドサービス事業で協業
日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表者:代表取締役執行役員社長 遠藤信博、以下 NEC)、NEC(中国)有限公司(本社:北京市、総裁:木戸脇雅生、以下 NEC中国)とITソリューションプロバイダーである東軟集団股份有限公司(以下 東軟集団)、瀋陽東軟信息技術服務有限公司(以下 東軟信息技術)はこのたび、中国におけるクラウドサービス事業分野の協業に合意しました。本合意に基づき、NECグループと東軟集団は、本年10月を目処に中国·大連市に合弁会社を設立し、共同でクラウドサービス事業を推進します。
NECグループと東軟集団は、中国の企業、中国に進出する日系企業、欧米企業を対象として、基幹業務システムも含めたSaaS(Software as a Service)、更にはPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)等を含めた、総合的なクラウドサービス事業を展開します。
NECは、クラウド指向データセンター(注1)のグローバルな展開計画に基づき、世界主要地域においてクラウドサービス事業を展開してまいります。東軟集団との協業はこの第一弾であり、今後、この計画により実現するグローバルなサービスネットワークを活用することで、グローバルに事業展開を行う中国企業、日系企業、欧米企業に対しても、地域を問わず均一なサービス提供を行うことが可能となります。
NECは、省エネ性にすぐれたサーバ等の自社のハードウェア製品、運用管理等のミドルウェアをベースに、OMCS(注2)で培ったシステム構築技術で信頼性の高いサービス提供基盤システムを構築し、基幹システムも含めたクラウドサービス事業を展開しております。
東軟集団はグローバルに成長している企業で、中国屈指のITソリューション·サービスプロバイダーです。中国市場において、豊富な業種ノウハウや幅広い顧客リソース、迅速な対応能力及び優れた運営管理とサポート力を有しています。東軟集団は近年、積極的にクラウド事業を開拓し、自社をクラウドアプリケーションのソリューションとサービスプロバイダーと位置づけ、東軟の考えるクラウドアプリケーションの枠組み、共通コア技術、ツールなどに多くの研究開発投資を行っています。そしてヘルスケアサービス、カーリモートサービス、ロケーションサービス分野に積極的に取り組み、成長を遂げています。今回のNECとの協業により、東軟集団の当分野での事業規模が更に拡大し、顧客により良いサービスを提供する契機となるものと考えています。
NECグループと東軟集団は、これらの両社の強みを持ち寄り、中国企業等に最適で豊富なサービスメニューを整備し、信頼性の高い総合的なクラウドサービスを提供します。
NECグループと東軟集団の協業の概要は以下のとおりです。
■協業内容
1.NECグループと東軟集団は、本年10月を目処に、合弁会社を設立。
(合弁会社の概要)
社名(仮称):日電東軟信息技術有限公司(所在地:遼寧省大連市)
資本金:6.5億円(NEC中国70%:東軟信息技術30%)
人員構成:初年度約70名、3年後約200名
2.データセンターは、東軟集団のデータセンターを活用する。データセンターには、NECのデータセンターに適したサーバ等の製品、OMCSで培ったシステム構築技術、運用技術を活用し、信頼性の高いサービス提供を可能とするサービス基盤を構築する。
3.合弁会社は、SaaSに加えて、IaaS、PaaSを含めた総合的なクラウドサービスのメニューを整備する。
SaaSに関しては、NECグループ、東軟集団あるいはその他企業が有するアプリケーションをメニュー化し、拡充を図る。フロント領域から基幹システムまで、パッケージ製品として実績のある様々な業務·業種アプリケーションの品揃えを行うことで、顧客は、必要とするアプリケーションを短期間かつ低コストで利用することが可能となる。
4.NEC中国と東軟集団が顧客への営業活動を行い、必要に応じてSIをそれぞれの顧客向けに行う。これにより、クラウドサービスとして利用するシステムと既存システムとの連携が可能となる。
5.サービス提供に必要な導入コンサルから、周辺システムとのSI、主要言語(中国語、日本語、英語)による24時間365日体制のサポートサービスまでトータルサービスを提供する。
中国のクラウドコンピューティング市場は急速な立ち上がりを見せており、今後年率30%以上の伸長により2012年には2000億円以上の規模になると予測されます。NECグループと東軟集団は、本協業により、中国のクラウドサービス事業分野におけるリーディング企業を目指します。
以上
(注1) クラウド指向データセンター
データセンターに、自社基幹システム等で利用実績のあるシステムモデル(特定のハードウェア製品、OS、ミドルウェアを組み合わせたもの)によるサービス提供基盤システムを構築したもの。企業等の業務での利用にふさわしい信頼性を備え、基幹システム領域も含めたアプリケーションサービスをここから提供する。日本国内でNECが構築したものに加え、海外にも各地にクラウド指向データセンターを確立し、ネットワーク化する。統合運用監視センターからグローバルな集中運用監視を行い、高効率で高品質なグローバルサービスネットワークの運用を提供可能。
(注2) OMCS
Open Mission Critical System